Q 私はサラリーマンでしたが、定年退職するまで妻が専業主婦として家を支えてくれました。しかし、私が退職した途端、妻は「どうして毎日家に居るの」、「細かいことにいちいちうるさい」などと愚痴を言います。そこで、今回、お互いの価値観の違いから、流行りの「熟年離婚」をすることになりました。妻は、離婚にあたり、「気難しいあなたの面倒を見てきたのだから、きちんと財産分与をしてもらいます」と言っています。私は、持ち家や退職金を妻に分けなければならないのですか。
A 今回は、「財産分与」についてのご質問ですね。「財産分与」という言葉は聞いたことがあると思いますが、「財産分与」とは、夫婦が婚姻中(結婚している間)に協力して築いた財産を、離婚をするときに清算することをいいます。
この「財産分与」には、夫婦の財産を清算する側面と、専業主婦のように離婚した後の生活に困る者に対する扶養としての側面もあると言われています。あなたのように、奥さんが専業主婦の場合には、奥さんは、婚姻中に夫婦の財産を蓄えることに貢献したとして、「財産分与」が受けられます。その貢献度についても、特段の事情がない限り、概ね夫婦は等しく、奥さんにも夫婦の財産の2分の1をもらうことができることになります。
では、「財産分与」の対象となる財産はどのような財産でしょうか。夫婦が婚姻中に協力して築いた財産であれば、名義や多少にかかわらず「財産分与」の対象となります。例えば、現金、預貯金、不動産、車両、株などが「財産分与」の対象となります。
あなたの持ち家については、あなたが結婚する前から持ち家を持っていた場合や、結婚後でも相続など奥さんの協力によらないで取得した場合には、「財産分与」の対象とはなりません。これを法律用語では「特有財産」といいます。他方、結婚後、あなたの給料等で持ち家を購入した場合には、「財産分与」の対象となります。また、退職金についても、「財産分与」の対象となることがあります。
くわしいことは沖縄弁護士会の弁護士に相談してみてください。